サロンのカルテはいつまで保管する?保存期間の決め方と安全な捨て方
美容室やエステのカルテに、医療機関と同じ法定の保存期間はありません。では何年持てばいいのか。期間の決め方と、紙・データそれぞれの安全な廃棄手順、閉店時の扱いまで整理します。
「カルテは5年保管」はサロンの話ではない
カルテの保存期間を調べると、多くのページに「5年」と出てきます。ただしこれは医師法が医療機関に課しているルールで、対象は病院や診療所の診療録です。美容室・ネイル・エステ・リラクゼーションの施術記録に、同じ年数を義務づける法律の定めは見当たりません。
つまりサロンのカルテは、「何年持つか」を自分で決めてよい代わりに、決めておかないと永久に溜まり続ける種類の書類です。個人サロンで紙カルテの箱が何年分も積み上がっているのは、捨てていいか分からないまま判断を先送りしているケースがほとんどです。
参考になるルールは、別のところにあります。
| 根拠 | 対象 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 医師法 | 医療機関の診療録 | 5年(サロンは対象外) |
| 税務上の帳簿書類 | 売上や経費の裏づけになる書類 | 原則7年とされる |
| 個人情報保護法 | 個人データ全般 | 必要がなくなったら遅滞なく消去するよう努める |
3つ目が、サロンのカルテにいちばん近い考え方です。年数で縛るのではなく、「もう使わないなら持ち続けない」という向きになっています。
※ ここに書いたのは一般的な情報です。回数券や高額メニューの契約が絡む場合など、判断に迷うときは税理士や専門家に確認してください。
保存期間を決める3つの軸
1. 来店の周期から逆算する
カルテを見返す理由は、次に来たときに前回の施術を思い出すためです。だとすれば必要な期間は、お客様の来店周期で決まります。2〜3か月周期のサロンなら、最終来店から2〜3年を過ぎたカルテを見返す場面はほとんどありません。
2. お金の裏づけになる記録は分けて残す
売上や回数券の残数に関わる記録は、施術メモとは性格が違います。ここは税務の7年に合わせて別管理にしておくと安全です。施術メモは短く、金銭の記録は長く、と分けるのがすっきりします。
3. 要配慮情報ほど早く手放す
アレルギーや持病、肌のトラブルなど、健康に関わる記述は特に慎重に扱うべき情報です。長く持つほど漏れたときの影響が大きくなるので、使わなくなったら真っ先に処分する対象に入れておきます。
安全な捨て方(紙とデータで手順が違う)
| 種類 | やること | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 紙カルテ | シュレッダーにかける、量が多ければ溶解処理を扱う業者に依頼する | 普通ごみに出す、裏紙やメモ用紙として再利用する |
| カルテ画像・写真 | 端末とクラウドの両方から削除し、ゴミ箱も空にする | 端末から消しただけで安心する |
| 表計算ファイル | ファイルごと削除。バックアップや共有フォルダの複製も探して消す | 行を削除して上書き保存だけで済ませる |
| 予約システムの顧客データ | 管理画面から該当の顧客を削除する | 退会したまま放置してアカウントを残す |
見落としやすいのが複製です。紙カルテをスマホで撮った写真、旧パソコンに残ったファイル、業者に渡したままのデータ。元を消しても複製が残っていれば、消したことになりません。処分するときは「どこにコピーがあるか」を先に書き出してから手をつけます。
業者に溶解処理を頼む場合は、プライバシーマークなどの認定があるか、処理証明書を出してもらえるかを確認しておくと安心です。
お客様から「消してほしい」と言われたら
個人情報保護法では、本人からの削除の求めに応じる場面が定められています。サロンの実務としては、次の流れを決めておけば慌てません。
- 本人からの申し出であることを確認する(電話やメールの相手が本人か)
- 対象の記録を探す(紙カルテ・予約システム・メッセージ履歴・写真)
- 消す。売上記録など法令上残すものがあれば、その旨を伝える
- 消した日付を記録に残す
3番目が大事です。「すべて消しました」と答えたあとで売上データが残っていた、という食い違いを避けるため、残すものは理由とセットで先に伝えます。
閉店・休業のときの扱い
サロンをたたむときも、カルテは自動的に消えてくれません。廃業の準備には、次の3つを入れておきます。
- 紙カルテはまとめて溶解処理に出す(引っ越し荷物に混ぜない)
- 使っていたシステムは、データを削除してから解約する(解約すると管理画面に入れなくなり、消せなくなることがあります)
- 他店に引き継ぐ場合は、お客様の同意なしに顧客情報を渡さない
3つ目は特に注意が必要です。譲渡や引き継ぎは事業者間の話であっても、個人情報の第三者提供にあたる可能性があります。
よくあるつまずき
| つまずき | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 期間を決めていない | 10年分の紙カルテが倉庫を占拠する | 「最終来店から○年」を一度決めて紙に書く |
| 捨てる日を決めていない | 決めたのに実行されない | 年1回、確定申告の後などに整理日を固定する |
| 紙とデータが二重にある | 片方だけ消して残る | 記録の置き場所を1か所に寄せる |
| 退会したお客様の扱いが未定 | 連絡先が残り続ける | 退会時にやることを手順化しておく |
一度決めてしまえば、あとは毎年同じ日に同じ作業を繰り返すだけです。難しいのはルールの内容ではなく、決めないまま放置してしまうことのほうです。
置き場所を減らすと、捨てるのも楽になる
処分がややこしくなる最大の原因は、記録が散らばっていることです。紙カルテ、スマホの写真、予約アプリ、メモ帳、LINEのトーク。置き場所が5つあれば、消すときも5か所を回ることになります。
逆に、予約と顧客記録が同じ場所にまとまっていれば、「この人の記録を消す」は1回の操作で終わります。紙をやめる理由は入力の手間を減らすことだと思われがちですが、やめるときに困らないのも同じくらい大きな利点です。
紙からの移行手順は紙台帳からの切り替え、日々の管理の基本は顧客情報の守り方にまとめています。
Linqの場合
月¥1,280(税込・初期費用0円)のLinqは、オンライン予約受付と顧客カルテが同じ画面にまとまっています。来店履歴が予約から自動で積み上がるので、最終来店日を見ながら「もう見返さないカルテ」を判断でき、削除も管理画面から行えます。前日・当日のLINE/メール自動リマインドも同じ料金に含まれます。
予約ボタン付きのサロンホームページも追加料金なしで公開できるので、プライバシーポリシーの掲載場所にも使えます(公開例: linq-salon.com/site/linq)。機能は機能一覧から、まずは30日間無料で始める。
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